走れ!タカハシのブログ

本の感想についてのブログ

「そこまでやらなくていいのに物語」ねじめ正一

オールディーズの迷惑ジジイっぷりに爆笑。ねじめ正一のユーモア爆発だ。草野球には草野球の面白さがあるのだろうな。ねじめさんは本当に長嶋のことが大好きなんだなぁ。しかし、なんでAmazonだと表紙が違う本なんだ?!全然違うわい!一刻も早く直して欲しい。この「そこまでやらなくていいのに物語」の表紙が良いのになぁ。


「おれんちのいぬチョビコ」那須田淳・作 渡辺洋二・絵

小学生のころの思い出の本。好きすぎて、カセットテープに朗読したものを吹き込んでた。いたずら好きのチョビコと素朴な少年がかわいい。懐かしく、また買って読んだ。色あせない。


「午後の曳航」三島由紀夫

やはり三島由紀夫の見た目に関しての描写は魅力的だなぁ。最後まで屈折したルッキズムに囚われていたんだよな。少年は最後までこの世界の被害者だった。


午後の曳航 (新潮文庫)

午後の曳航 (新潮文庫)

「イワン、はじめてのたび」池田あきこ

イワンが滑稽で面白い。


「O嬢の物語」ポーリーヌ・レアージュ

エロ小説と言ってしまえばそれまでだが、とても高尚で無垢なものを見せてもらった。ただグロテスクだからいいといった小説とは、格が違う。露悪的というのも違う。フランスの自由、平等、博愛とは違うが、これが受け入れられてるのも、フランスだからだろう。フランスにはスカートがめくれていても「それがどうしたの?」と素っ気なくする文化があるが、同じものをこの小説に感じた。ニヒルなのである。しかし、この表紙は本当に恥ずかしい。外で読むならブックカバーが必要だ。


O嬢の物語 (河出文庫)

O嬢の物語 (河出文庫)

「爪と目」藤野可織

短編集なのだが、どれも心理描写を排して身体描写に徹していた。特に「しょう子さんが忘れていること」がそうだった。最近は心理描写が細やかな小説ばかり読んでたので新鮮だった。ちょっと川上未映子に似てない気もしないでないが。官能的なのに瑞々しい文体はサガンみたいだ。どこかで見たような気もするが、まぁ、悪くはなかった。短いし。


爪と目

爪と目

「夜行観覧車」湊かなえ

今回もかなり良質なミステリーを楽しませてもらった。他人の棘などを容赦なく描いている。湊かなえが愛されるのは、謎解き要素や意外な結末はもちろん、生命倫理や家族、被害者と加害者の壁、コミュニティの問題にまで踏み込んでそれをダレたり説教くさくならずにリアリズムもあり、物語として編み出す力がものすごいことにあるのだろう。小島は最後までゲスで不気味でした。言い終わり方…と思いきや、最後はやはりイヤミス。さすがです。


夜行観覧車

夜行観覧車