「透明な沈黙」
標本の骨に色をつけて発表するアーティストとヴィトゲンシュタインの言葉のコラボ作品。ヴィトゲンシュタインの大ブルジョワに生まれながらの苦悩が気になった。どこまでも自分というものを考えたのは、ニーチェとは対局にあったのかもしれない。ヴィトゲンシュタインに興味を持った。写真も素晴らしい。
- 作者: 冨田伊織,鬼界彰夫
- 出版社/メーカー: 青志社
- 発売日: 2010/08/09
- メディア: 単行本
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「ウヒョッとびっくり ゆうれい話」木暮正夫
もう、原ゆたかの絵おもしろすぎるんですけど。だからもう大人になったし、あんまり怖くなかった。いちいち絵が笑える。表情がツボ。小暮正夫さんはまだご存命なのだろうか。
ウヒョッとびっくり ゆうれい話 (日本のおばけ話・わらい話17)
- 作者: 木暮正夫,原ゆたか
- 出版社/メーカー: 岩崎書店
- 発売日: 1988/02/01
- メディア: 単行本
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「ビフォア ラン」重松清
重松清の小説デビュー作。広島と思われる県にある進学校の生徒で「病気」で退学したまゆみと、彼女の同級生の3人組男子、その男子のうちのひとり優のガールフレンドである紀子の交流を描いた長編。高校のころは私もかなり傷つき悩んでいたように思うから昔のことを思い出して共感してしまった。まゆみは周りからおかしな目で見られていたが、まぎれもなく4人とは親友だった。優は終始まゆみに冷たかったが最後にその自分の冷たさに気づき「挫折」を味わう。さわやかじゃないのに最後は清々しい。かなり泣いた。特に紀子がしゃべるたび。
- 作者: 重松清
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 1991/07
- メディア: 単行本
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「ほんとうの空色」バラージュ
マルチ芸術家の先駆けのようなバラージュによる児童文学。ハンガリーの貧しい少年が奇跡を起こす。学校での場面なんか、あぁこういうことになるよなぁと妙に日本人でもリアルに感じた。奇跡といっても大げさなものではない。それでもフェルコーの心が温まったのは確かだ。フェルコーの母を想う気持ちが優しい。実にさりげない優しさでほのぼのする。あまり有名ではないんだろうが良作。
- 作者: バラージュベーラ,大社玲子,Bal´azs B´ela,徳永康元
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2001/08/17
- メディア: 単行本
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「天才ラヴロックの発想が生む 逆転の知恵」糸川英夫
イギリスの異端の科学者ラヴロックのガイア仮説をひもとき、そこから何を学ぶべきか解いた本。私は原子力発電所はできる限り廃炉すべきとの立場でラヴロックの原子力は安全だとの主張とは正反対なのだが、彼の論文には理工学部にいた頃から興味津々であった。まず全てを疑い、直感からコツコツ積み上げる大切さを学んだ。セックスがどうしてあるのか、を論じたのは意外だ。知的好奇心を刺激され、理系であることに誇りを感じられた一冊。
逆転の知恵―天才ラヴロックの発想が生む (コンテンポラリーブック)
- 作者: 糸川英夫
- 出版社/メーカー: 同文書院
- 発売日: 1992/08
- メディア: 新書
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「饗宴」プラトン
再読。うーん、難しいんですけど…。金持ちはより金持ちになる話が面白かった。哲学というより戯曲として教訓を読み取るべきなのか。むつかしい。また哲学から離れそうになった。
- 作者: プラトン,久保勉
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/12
- メディア: 文庫
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