走れ!タカハシのブログ

本の感想についてのブログ

「ためらい」ジャン=フィリップ・トゥーサン

ミニマリズムと呼ばれるだけあって、余計な情報や装飾がなくてすごく読みやすい。そのそっけなさもフランスならではかな。


ためらい

ためらい

「葬儀」ジャン・ジュネ

恋する相手がヒトラーだったり敵対国だったりして、文学の持つ変幻自在さを堪能した。とにかく性描写が多いのだが、くどくなく、いやらしくない。淫靡な雰囲気はない。「O嬢の物語」のときも思ったが、そこがフランスの持つ「それが、どうしたの?」精神に通ずるのかと。やっとフランス文学を好きになれそうだ。


葬儀

葬儀

「ワールドトリガー」3 葦原大介

バトルっちゃバトルだが派手なアクションとかはナシ。頭脳戦だなぁ。頭をビンビン刺激される感じ。知的な匂いもする。絵の線がかっちりしてるしジャンプで1番クールなマンガだった。


「JOY」山川健一

なんておしゃれな小説なんだ。生活感のあるおしゃれさというか。もうこの作中ではそこら辺に転がってるものみんなおしゃれだ。文章の持つ魔法だな。独自性バツグン、既視感ゼロ。うーん、こんな小説家になりたいものである。本人の経歴をWikipediaで見たら、経歴もおしゃれでもうついていけない…。こんなおしゃれな小説は読んだことがない。海外文学、哲学書をブランド物のように読む人はまずはこれを読むべし。


JOY

JOY

「木はえらい イギリス子ども詩集」

イギリス子ども詩集と言っているが、イギリスの大人が書いた詩集である。イギリスの詩の世界ではニューウェーブらしい。無邪気でバカっぽくて楽しくてやんちゃな詩が私好みだった。しかし詩集ってすぐ読めますね。これからは詩集ばっか読むかも。


「科学者は戦争で何をしたか」益川敏英

素粒子論で有名なノーベル賞受賞者益川敏英さんによる本。九条科学者の会があるとは知らなかった。科学がいかに戦争に悪用され、発明は戦争と関係あったのかどうか、作者自身の平和論、原子力についてが書かれている。戦争反対でありながら生命科学科卒かつ兵器ヲタク(フェティシズム?)な私は非常に日頃から戦争と科学の関係について複雑な思いをしていた。さすがの知識で戦争と科学をわかりやすく解説。非常に勉強になった。しかし第五章は少々退屈に思ったが。作者の言う通り長いスパンで考えれば見えなかったものも見えてくる。


「暗殺教室」5 松井優征

毎度毎度このマンガは勉強になる。どんな職業や立場であれ、人生において使えること、大切なことを学べる。今回は、生徒の暗殺のサポートをするクールで愛情のなさそうに見える烏間から、その烏間の同期の鷹岡に教官が代わるのだが、この鷹岡が家族の愛情という名の一方的な支配と暴力で生徒たちを奴隷にさせようとする。果たして、愛情とは本当に素晴らしいものなのか、暴力にも方法があるのだなと、そんなことを思った。いろいろ考えさせられる。


暗殺教室 5 (ジャンプコミックス)

暗殺教室 5 (ジャンプコミックス)