走れ!タカハシのブログ

本の感想についてのブログ

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「イワン、はじめてのたび」池田あきこ

イワンが滑稽で面白い。イワン、はじめてのたび (DAYAN’S COLLECTION BOOKS)作者: 池田あきこ出版社/メーカー: ほるぷ出版発売日: 1993/08/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る

「O嬢の物語」ポーリーヌ・レアージュ

エロ小説と言ってしまえばそれまでだが、とても高尚で無垢なものを見せてもらった。ただグロテスクだからいいといった小説とは、格が違う。露悪的というのも違う。フランスの自由、平等、博愛とは違うが、これが受け入れられてるのも、フランスだからだろう…

「爪と目」藤野可織

短編集なのだが、どれも心理描写を排して身体描写に徹していた。特に「しょう子さんが忘れていること」がそうだった。最近は心理描写が細やかな小説ばかり読んでたので新鮮だった。ちょっと川上未映子に似てない気もしないでないが。官能的なのに瑞々しい文…

「夜行観覧車」湊かなえ

今回もかなり良質なミステリーを楽しませてもらった。他人の棘などを容赦なく描いている。湊かなえが愛されるのは、謎解き要素や意外な結末はもちろん、生命倫理や家族、被害者と加害者の壁、コミュニティの問題にまで踏み込んでそれをダレたり説教くさくな…

「月の上の観覧車」荻原浩

親しい人との別れまでのいきさつを描いた短編集。私も鬱で休職したりびくびくしてた時期があって金魚も飼っていたので、「金魚」はとても他人事とは思えず、深入りして読んだ。「レシピ」のオチはちょっと笑える。かっこよくない人たちが小さなことで悩んだ…

「夏への扉」ロバート・A・ハイライン

SFは苦手なのだが、SFということを忘れ物語に入り込んでしまった。猫好きにもオススメ。ちょっと「ライ麦畑でつかまえて」に似てるような。アメリカの病理のようなものも微かに感じた。夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))作者: ロバート・A・ハインライン,福…

「プラテーロとわたし」J.R.ヒメネス

恥ずかしながら作者のことを全く知らなかった。ノーベル賞取った人だったとは。自然の美しさと主人公のプラテーロへの愛情を感じた。作者の他の作品も読みたいが、あまり出版されてないのだろうか。プラテーロとわたし作者: ファン・ラモンヒメネス,長新太,…

「ポニーテール」重松清

小学生は感受性豊かになり、傷つき始める年頃だ。そのことを優しい筆致で見守るように描いた良作。フミの友達のツルちゃんがいい感じだ。あの頃できた友達は大人になって離れても、人格形成にとっても人生にとっても大切なものとなる。この人は子供の繊細な…

「カラー版 宇宙に行くニャ!」山田ふしぎ

声優でサイエンスライターの山田ふしぎさんによる漫画。二匹の猫が宇宙を旅しながら宇宙を解説していく。猫がかわいく、猫好きにとってもたまらない。理科に無知だが、楽しめた。続きが読みたいですね。カラー版 宇宙に行くニャ! (岩波ジュニア新書)作者: 山…

「壁」安部公房

今までにない読書体験をした。実にシュールで虚無的で抽象的であっけらかんとしている。ハマる人が多いのもわかる。この人の作る劇って面白そうだなぁ。壁 (新潮文庫)作者: 安部公房出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1969/05/20メディア: 文庫購入: 9人 クリ…