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「マリカの永い夜/バリ夢日記」吉本ばなな

前半が小説で後半が旅行記という変わった構成。「マリカの永い夜」は多重人格者と医師がバリを旅する小説だが、多重人格者マリカ(オレンジ)を作家の偏見で異常とする風潮に静かに、本当に静かに逆らい医師はマリカ(オレンジ)と「普通」に接していく。他者を尊重しようとする人間の崇高さとバリの美しい描写が実に良い。既存の文学への挑戦に思える。「バリ夢日記」はひたすらうらやましい。


マリカの永い夜;バリ夢日記

マリカの永い夜;バリ夢日記