走れ!タカハシのブログ

本の感想についてのブログ

「おやすみ、こわい夢を見ないように」角田光代

読んだあと、疲れと脱力感としんどさがどっと出た。これは心を潰された人々の物語だ。同調してしまったのは、私にも思い当たるフシがあるのだろうか。表題作、過酷な現実に立ち向かえず打ちひしがれた沙織が叫んでいるように見えた。まるで文字が本から飛び出て、生きているようだ。読書の快楽と辛さを一気に味わった。こんなに辛くて重たい本、他にない。


おやすみ、こわい夢を見ないように (新潮文庫)

おやすみ、こわい夢を見ないように (新潮文庫)