走れ!タカハシのブログ

本の感想についてのブログ

2017-08-16から1日間の記事一覧

「透明な沈黙」

標本の骨に色をつけて発表するアーティストとヴィトゲンシュタインの言葉のコラボ作品。ヴィトゲンシュタインの大ブルジョワに生まれながらの苦悩が気になった。どこまでも自分というものを考えたのは、ニーチェとは対局にあったのかもしれない。ヴィトゲン…

「ウヒョッとびっくり ゆうれい話」木暮正夫

もう、原ゆたかの絵おもしろすぎるんですけど。だからもう大人になったし、あんまり怖くなかった。いちいち絵が笑える。表情がツボ。小暮正夫さんはまだご存命なのだろうか。ウヒョッとびっくり ゆうれい話 (日本のおばけ話・わらい話17)作者: 木暮正夫,原ゆ…

「ビタミンF」重松清

直木賞受賞作品。これで重松清は注目された感じだったなぁ。私は中学のとき読んだ「ナイフ」が初めてだけど。ユーモアがあって心温まる話だけど、オチがついてない感じが微妙だな。他の重松清の作品の方が直木賞にふさわしいのあるんだけどな。直木賞選考基…

「ビフォア ラン」重松清

重松清の小説デビュー作。広島と思われる県にある進学校の生徒で「病気」で退学したまゆみと、彼女の同級生の3人組男子、その男子のうちのひとり優のガールフレンドである紀子の交流を描いた長編。高校のころは私もかなり傷つき悩んでいたように思うから昔の…

「ほんとうの空色」バラージュ

マルチ芸術家の先駆けのようなバラージュによる児童文学。ハンガリーの貧しい少年が奇跡を起こす。学校での場面なんか、あぁこういうことになるよなぁと妙に日本人でもリアルに感じた。奇跡といっても大げさなものではない。それでもフェルコーの心が温まっ…

「天才ラヴロックの発想が生む 逆転の知恵」糸川英夫

イギリスの異端の科学者ラヴロックのガイア仮説をひもとき、そこから何を学ぶべきか解いた本。私は原子力発電所はできる限り廃炉すべきとの立場でラヴロックの原子力は安全だとの主張とは正反対なのだが、彼の論文には理工学部にいた頃から興味津々であった…

「饗宴」プラトン

再読。うーん、難しいんですけど…。金持ちはより金持ちになる話が面白かった。哲学というより戯曲として教訓を読み取るべきなのか。むつかしい。また哲学から離れそうになった。饗宴 (岩波文庫)作者: プラトン,久保勉出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/…

「星の王子さま」サン=テグジュペリ

子供のころこれを毛嫌いしていた。大人になり読むとまた違うのかと思い再読。全く違った。傷ついた大人には染み入るだろう。大人にしかわからない隠されたギミックに虚をつかれた思いだ。だからこれを子供に安易にすすめるのはいかがなものかと思う。子供は…

「クレヨン王国の十二か月」福永令三

初めて読んだ小説が確かこれだ。懐かしく思いまた読んだ。やっぱり面白かった。そしてファンタジーは普遍性があるのだなと思った。ここでは大自然さえもパステルカラーでポップでラブリーな世界観に取り込まれる。酒屋や郵便局まで出てきて現実世界との融合…