走れ!タカハシのブログ

本の感想についてのブログ

「橋を渡る」吉田修一

「橋を渡る」って、いいタイトルだなと読んだあと思った。これ以上のタイトルはない。それぞれの物語も展開が読めず、ハラハラするのだが冬になり、全てつながり「あっ!」と。読書をする快楽を思う存分味わった。なぜか荻原浩の「金魚姫」の「全ては繋がっている」というセリフを思い出したり。作者は小さな出来事から始まり、こんな壮大なことまで書けるようになったのかとさらなる進化を体感。最後らへんはちょっと泣いた。


橋を渡る

橋を渡る

「ボラード病」吉村萬壱

東日本大震災の被災地で執拗に強制される愛郷教育。ももクロが「福島の桃が大好きです福島の野菜が大好きです」と一生懸命歌っていた時の何とも言い難い気持ち悪さが蘇ってきた。愛郷教育は愛国教育と一体化しているのだろうか。最後らへんは問題提起めいて、そこがまたよかった。この小説、作者の才能が爆発してる感じがしてすげー好き。今年下半期ベストかもしれない。


ボラード病

ボラード病

「紅い棘」奥菜恵

奥菜恵、最近見ないな。スキャンダルに傷つけられたり、彼女の信念や女優としての覚悟がわかった。しかし後半になって、高橋歩の信奉者だったりスピリチュアル的なことを書き出した時は「大丈夫か?」と思ったが。

紅い棘

紅い棘

「女王の教室 The Book」

懐かしい。ドラマでは今世紀最大の問題作。真矢のメッセージは、成人した今に響く。志田未来福田麻由子ばかり注目されていたが、私が気になっていたのは梶原ひかりちゃん。キラキラしながら屈折している少女を見事に演じていた。


女王の教室The Book

女王の教室The Book

「このゆびとまれ」1 大澄剛

これもあくまでファンタジーなんだろうな。同じ学校に子役がいたからわかるが、実際の子役はマネージャーにあんな態度取ってたら事務所から干される。打ち切りになるのもわかるが、まぁまぁ楽しめた。でもえなの顔があまりかわいいと思えなかった。もっと美少女に描けなかったのか。


このゆびとまれ(1) (ニチブンコミックス)

このゆびとまれ(1) (ニチブンコミックス)

「花の君」萩原さおり

どれも優しく甘酸っぱい物語たち。少女漫画っていいなと思えた。読み切りには読み切りのよさがある。


花の君 (マーガレットコミックス)

花の君 (マーガレットコミックス)

「あのコと一緒」3 藤末さくら

自分の高校のときと比べても、なぜ香澄があんな男を許すまでわからない…。人に見捨てられなくて必死なのが痛い。孤独を恐れすぎると、さらなる孤独が待っている。かのりはしっかりした子だなぁ。